からだに良い食事をする為にも、お口の健康が大切!
「からだに良い食べ物」に関心があっても、そのために必要不可欠な「歯の健康」「歯科治療」に対しての関心はありますか?栄養をしっかり摂る為にもお口の健康は大切です。まず、お口の衰えがいつ頃から始まるのかをお伝えします。
人の歯は親知らずを除いて28本あります。「症状が出た時のみに受診する」という患者さんの場合、50代前後からお口の老化が徐々に始まり、80代では18~20本の歯を失うというデータもあります。
また、70歳以上の「なんでもよくかんで食べられる人」は6割ほど。つまり、歯が残っているまたは入れ歯を使用してよく噛めるというのが6割に対し、4割のかたは噛む能力に問題を抱えているのが分かります。
つまり、お口の健康は栄養摂取に大きな影響を与え、「かめない事による栄養不足」が、高齢者のからだの衰えに大きく関係している事が分かります。
そして、かめない事によりどんな栄養が不足するのでしょうか?
歯が悪くなると、全体的に食が細くなったり、つい柔らかいものを好んで食べるようになったりします。おかゆやうどんなどを好んだり、手軽に食べられるお菓子など間食が増えると糖質過多になります。根菜類も食べにくくなると食物繊維も不足します。そして、肉を噛み切ることが出来ないことによるタンパク質不足も深刻です。
深刻なタンパク質不足は、筋肉量の低下、体力や免疫力の低下にも繋がります。
噛めない人が陥りやすい栄養の偏り。栄養の摂取には歯の健康がとても大事です。
20代30代では「歯を失う」というイメージがわかないでしょう。そして、50代で歯を失い始めた頃、とりあえずで入れ歯を作ったとしても、使わなければ周りの歯が傾き始めかみにくくなります。放っておくとトラブルが重なり、ドミノ式の様に歯を失ってしまいます。そうならないためにも歯を失い始める頃、いえ、それよりも前に歯を悪くした根本的な原因を突き止めておくことが非常に大切となります。
また、噛むことと認知機能には大変親密な関係があり、よく噛むことによって脳への血流が増え、認知機能が活性化されます。自身の歯でしっかり噛んでいる場合と入れ歯を使っている方の場合、認知症の発症率は同じくらいになります。
噛めるお口は、低栄養の予防や認知症の予防になります。
もちろん、「歯を失わないようにする」ということが大切になりますが、「失った歯をきちんと補ってあげる(噛めるお口にきちんと戻す)」というのも大切になります。