「虫歯がありますよ、削りましょうか。」歯医者さんで、こんな宣告をされるとドキっとして非常にショックですよね。
しかし、”今すぐ削らなくても良い虫歯”があることはご存じですか!?
なぜなら、初期虫歯と呼ばれる虫歯は、予防処置で進行を遅くできるからです。
歯は治療を繰り返す度に、歯の寿命がドンドン短くなってしまいます。できれば歯の治療は、最小限に抑えたほうがよろしいです。この記事を読んで頂いて、あなた自身の歯で生涯健康に過ごすお手伝いができれば幸いです。
歯は大きく分けると、「エナメル質」と「象牙質」と呼ばれる部分からできています。それぞれに特徴があります。
エナメル質は、私達が目に見えている歯の表面部分です。人の身体で「一番硬く」、骨よりも硬い組織です。
象牙質は、その内側にあります。細かな神経が通っていると研究されており、「エナメル質より柔らかい」です。
削ってはいけない虫歯は、「エナメル質内の虫歯」です。エナメル質はフッ素を使うことで再石灰化や進行を遅くすることができるのです。ですので、CO(Caries Observation)日本語で要観察歯は学校保健の分野では、「適切な指導及び観察をすることで、虫歯が進行するのを予防する」ことを目的とされています。
現在の主流な3つの虫歯判診査法です。
1. 視診
2. ダイアグノデント(レーザー探査)
3. バイトウイング(咬翼法)レントゲン
それぞれの特徴をお伝えします。
一般的な虫歯検査です。簡易的に虫歯の有無を検査します。欠点としては、虫歯の大きさが分からない、歯と歯の間の虫歯が分かりづらい。という点があります。
歯科用レーザーで全く痛みなく虫歯の大きさを測ります。90%以上の正確な数値で可視化できる為、非常に有用な装置です。欠点としては高額な為、普及率が今一つ。歯と歯の間の虫歯は診断が難しい点です。
歯と歯の間の虫歯の進行を検査するのに優れています。この検査の結果で、エナメル質内なのか象牙質まで進行しているのかを診断し、治療開始か予防で予防で進行を遅らせれるかを判断します。ダイアグノデントと併用する方法が確実性が高いです。
過去には、歯科用の針で「虫歯の穴に挿入して大きさを調べる」という方法がありました。しかし、その方法では再石灰化を邪魔してしまう為、避けるべき方法とされています。
虫歯ができると歯が溶けて柔らかくなります。そこへ、エキスプローラーと呼ばれる針の先端を刺します。そうすると虫歯で穴が空いていると、ズボッと針が入るので虫歯の大きさが分かる。という診断方法でした。
研究の結果、現在では唾液中のカルシウム(Ca)やリン(P)が、溶けてしまった歯の内側に入り、元に戻す働きがあることが分かっています。この働きを「再石灰化」と呼びます。
探針による触診をした場合、この歯面を破壊してしまい再石灰化を妨げてしまう可能性が高いと言われていますので要注意です。
虫歯があるからと言われても、スグに削らない方が良い場合があります。その為には、確実な検査が必要です。検査結果を基に、ご自身の歯の予防計画を立案して頂き、大事な歯を守りましょう。
「予防に勝る医療は無し」
ご自身の虫歯の予防や、お子さんの歯を虫歯から守りたい方はお気軽にご相談下さい。
岐阜県多治見市の予防歯科と予防矯正が得意な歯科医院
山内歯科多治見おとなこども矯正
歯科医師 山内敬士