「いつまでかかるのだろう、、大丈夫だろうか??」なかなか治らない、根の消毒治療(根管治療)。そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、一般的な歯科治療だと、原因が見つからないかもしれないってご存じでしょうか!結果として、歯科医院へ通院を繰り返すのだけれど一向に良くならない。「また来週来てください。」
何故なら、肉眼でする治療には限界があるからです。精密治療をしようと思うと、細部はとても裸眼では捉えきれません。そうすると、歯科医師の経験とカンを頼りに治療することになります。
そんな治療難民の方を救うのが「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」なのです。実際に、なかなか治らない歯の神経の消毒治療を、精密治療で治した症例をお見せいたします。
肉眼の治療と、歯科用顕微鏡を用いた治療の違いをご覧頂き、マイクロスコープ治療を選択することで、ご自身の歯を長持ちさせるきっかけになれば嬉しいです。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)とは、対象歯を約20倍に拡大して治療することができる機械です。拡大して治療することで、より精密な治療ができるようになります。精密な治療ができることで、歯の寿命が圧倒的に伸びます。
従来であればレントゲンを頼りに、経験とカンで治療をしなければなりませんでした。マイクロスコープを用いることで、肉眼では見る事ができなかった細菌(バイオフィルム等)を見つけることができるようになりました。
これにより、虫歯の取り残し、歯石の取り残し、感染細菌の取り残りが大幅に減ることになります。すると、再治療の頻度に大きな差がでます。歯を長持ちさせようと思った場合、マイクロスコープは必須となります。
結論からお伝えすると、保険適応できます。ただし、条件があります。
2020年4月の保険改定により根管治療費の加算及び、保険適応範囲が拡大されました。具体的には第一大臼歯、第二大臼歯の複数根管や樋状根等の複雑な根管の場合、保険適応になりました。これは、患者さんの歯を守る為にはとても大きな保険改定です。
あなたの歯の根管治療が保険適応かどうかは、担当医の先生に直接ご相談されることを、お勧めいたします。
マイクロスコープはとても素晴らしい機械です。しかしながら、日本では普及率は約5%程度です。これは、これまでの日本での健康保険の制度の問題もありました。何故、復旧しないかをご説明します。
マイクロスコープは、患者さんには100%メリットしかない良い治療です。しかし、歯科医院にはデメリットが存在するからです。
マイクロスコープを使用すると、時間と手間がかかります。
残念ながら精密治療をして、歯を守ろう!とする情熱は保険点数には算定されません。結果として、保険適応外の場合は使用されない事が多いです。
高額な機械を導入することで、医院が赤字になります。
歯科医師がマイクロスコープを購入して、すぐに使えるようになるワケではありません。例えると、免許を取った人がいきなりF1マシーンに乗るようなものです。
マイクロスコープの欠点は、真っ直ぐしか見えない。という点です。したがって、角度をつけて歯を見る必要があります。その為には、鏡を使って歯を見なければいけません。
鏡を使って歯を見た場合”逆”に見える。ということです。ブログの読者のあなたも想像してみて下さい。鏡を見ながら食事を試してみて下さい。と言ったらいかがでしょうか?
まずは機械に慣れるため、トレーニングを要します。トレーニングに必要な時間が最低100時間は必要と言われています。これが100時間の壁です。
では、実際のマイクロスコープを用いた治療症例をお見せいたします。
何度も根管治療を繰り返されたのですが、なかなか違和感が取れず治らないので、当院でマイクロスコープ治療を希望されました。
治療中の仮蓋がしてある状態です。まずはレントゲン撮影をして歯の状態を確認します。
デンタルレントゲンより、歯の根が、若干特殊な形態をしていることが予想されました。黒いスジがはっきりと見えないことから、根管がとても狭いことが考えられます。
<<関連情報>>歯医者さんはレントゲンで何を見てる?
2次元の情報では限界がありますので、3次元のCTで立体的に歯の根を観察します。
CTより大まかな診断の予測を立てます。
今回の原因を推測します。今回疑わしいのは、下記の2点です。
1. 歯の根の洗浄不足
2. 発見されていない歯の根の存在
実際の歯の根を見てみましょう。上顎第一大臼歯は約1cmしかありませんので、肉眼で見るとこの様な視野になります。
さらに歯の根は数mmの大きさしかありませんので、肉眼では細菌(バイオフィルム)を観察することは不可能です。
それでは、マイクロスコープで20倍で観察してみましょう。違いにビックリされます。
20倍に拡大すると、歯の根の内部に細菌がうじゃうじゃしているのが確認できます。これが圧倒的な情報量の差です。感染細菌を取り残してしまっては、違和感は取れません。
肉眼ではここまで確認することは難しいです。マイクロスコープを使用すると、感染細菌を見ながら治療することができます。
さらにはCTより頬側に、「未治療の根管」を疑います。
この部分に見える黒い穴が、未治療の歯の根です。こちらも肉眼では発見は難しいです。CTで予測を立てて、マイクロスコープで確認することが大事です。
ニッケルチタンの根管治療器具を使って治療します。実際に目視しながら治療できるため、安心感が違います。経験とカンに頼る必要が少なくなります。
根管形成をしました。違和感の原因は、未治療の根管にまだ神経が残っていた「残髄炎」でした。
しっかりと根の消毒をします。
次亜塩素酸ナトリウムを超音波の振動で還流させることにより、歯の根の細菌を消毒、洗浄しています。
<<関連情報>>動画で見る根管治療
根管洗浄をすることで、ばい菌を取り除きます。マイクロスコープで確認すると違いが良く分かります。
とてもツルツルできれいになりました。ここまでピカピカに歯の根の壁が映れば一安心です。治療前後を比べてみて下さい。マイクロスコープの素晴らしさが実感できるはずです。
マイクロスコープは歯を長持ちさせる為に必須です。特に複雑な根管治療では、治療後の予後に圧倒的な差がでます。
マイクロスコープを使って精密治療を受けることで、歯を長持ちさせることができます。
今後、日本の歯科医療でもマイクロスコープが復旧してくることを願います。今後の保険改定次第では、保険適応が拡大されることも予測されます。
同じ治療を受けるのであれば、マイクロスコープ治療が可能なかかりつけ医を選ばれることをお勧めいたします。
岐阜県多治見市や土岐市、瑞浪市、恵那市、可児市、中津川市で「マイクロスコープで治療を受けたい」 「精密治療で歯を長持ちさせたい」とお考えの方は、山内歯科多治見おとなこども矯正にお越し下さい。
年齢・性別 | 40歳 女性 |
---|---|
治療費 | 10,000円(保険適応) |
治療期間 | 3週間 |
治療回数 | 3回 |
リスク・注意点 | 疼痛、咬合痛、冷水痛、外科処置を伴う場合は腫脹や出血などを生じる事があります。 |
山内歯科多治見おとなこども矯正
歯科医師 山内敬士