虫歯治療で、健康な自分の歯を削る量は最小限にしなければいけません。
通常の高速ドリルで虫歯を削ると、必要以上の健康な歯が削られる場合もあります。
その為、虫歯除去の歯科用精密ヤスリの「スプーンエキスカベータ」を使用します。
シャベルの様な形態をした、虫歯除去用のヤスリです。
先端が鋭利になっている為、虫歯をかきだす事ができます。
歯の硬さは、「ヌープ硬さ」で表されます。
健康な歯の硬さが、約60。
虫歯の歯の硬さが、約20。
研究で「抜去歯牙の齲蝕象牙質をエキスカで、削除した場合の残存象牙質のヌープ硬さは約20であった」
つまり、スプーンエキスカであれば「過剰切削の危険性が少ない」と言う事が分かります。
1.高速回転の為、発熱による神経へのダメージ
2.大きなドリル径により、必要以上に健康な歯が削れてしまう
3.微妙な手指の感覚が分かりづらく、虫歯を取り残す場合もある
再発の無い「歯科治療」の為には確実な感染歯質の除去と神経の保存が重要です。
大きな虫歯の場合、歯の神経が虫歯菌に感染すると”神経を取る治療”をしなければなりません。
赤丸の黒い部分が虫歯です。
黄色矢印の先端部が”歯の神経”です。
虫歯の状態です。
黄色くボソボソになっている所が、虫歯です。
虫歯には、黒色と黄色の2種類があり、黄色い虫歯は急性虫歯で進行が非常に早いです。
虫歯をドリルで削ります。
治療時は無痛麻酔をしている為、痛みは全くありません。
極力、健康な歯を削らない為”う蝕検知液”と呼ばれる、虫歯のみ赤くする薬を塗ります。
ここからは、スプーンエキスカを使用します。
歯科用”精密ヤスリ”で細かく、丁寧に虫歯のみを取り除きます。
何度も赤く染めては、ヤスリで細かく、丁寧に虫歯を取り除きます。
歯科用拡大鏡を使い、肉眼では見えないレベルで処置をすすめます。
全て、虫歯を取り除きました。
赤丸部分が”歯の神経の入り口”です。
ドリル治療であれば、健康な歯も余分に削れてしまう為、正確性が要求される部分はドリルを使わず、時間はかかりますが手作業で虫歯を除去します。
次回は、神経を残す薬を詰めます。