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ブログ矯正治療

歯並びは遺伝?それとも癖?気になる原因を解説します

こんにちは。岐阜県多治見市の歯医者、山内歯科多治見おとなこども矯正 院長の山内 敬士です。日々の診療で、特に矯正治療のカウンセリングにお越しになる患者様から、非常によくいただくご質問があります。それは、「先生、私のこの歯並びが悪いのは、やっぱり親からの遺伝なんでしょうか? それとも、子供の頃の指しゃぶりとか、何か癖が原因だったのでしょうか?」というものです。ご自身の歯並びの成り立ちについて、原因を知りたい、あるいは、お子様の歯並びを心配される親御さんとして、将来的なリスクを気にされるお気持ち、痛いほどよく分かります。

歯並び(咬合)は、見た目の美しさだけでなく、噛む機能、発音、全身の健康にまで影響を及ぼす、非常に重要な要素です。「歯並びは遺伝する」という話も、「いや、生活習慣や癖が原因だ」という話も、どちらも耳にしたことがあるかもしれません。実際のところ、歯並びの形成は、それほど単純な話ではなく、「遺伝的要因」と「環境的要因」の両方が複雑に絡み合って決まってきます。今回は、この多くの方が疑問に思われる「歯並びの原因」について、遺伝と環境、それぞれの側面から、そしてその相互作用について、矯正歯科医の立場から詳しく解説していきたいと思います。

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目次

 

  1. 歯並びが決まる仕組み:「遺伝」と「環境」の二大要因
  2. 親から子へ受け継がれるもの:歯並びに影響する「遺伝的要因」とは
  3. 生まれた後の影響が大きい!歯並びを左右する「環境的要因」の数々
  4. 遺伝と環境の複雑な絡み合い:歯並びへの影響度合いはケースバイケース
  5. 原因を知ることで未来が変わる?予防と治療へのアプローチ
  6. まとめ

 

1. 歯並びが決まる仕組み:「遺伝」と「環境」の二大要因

 

まず、大前提としてご理解いただきたいのは、「歯並びが悪くなる原因は、遺伝か環境か」という二者択一の問題ではない、ということです。例えるなら、家の建築に似ているかもしれません。遺伝は、家の基本的な「設計図」にあたります。土地の広さ(顎の大きさ)、建材の種類やサイズ(歯の大きさや形)といった、生まれ持った素質です。一方、環境は、その設計図を元に家を建てる際の「実際の建築作業」や、建てた後の「住み方」にあたります。建築中のトラブル(乳歯の問題)、住んでいる人の癖(指しゃぶりや口呼吸)、あるいは予期せぬ事故(外傷)などが、最終的な家の形(歯並び)に影響を与えるのです。どんなに素晴らしい設計図があっても、建築作業や住み方に問題があれば、欠陥のある家になってしまう可能性があります。逆に、多少設計図に問題があっても、丁寧な建築作業や適切なメンテナンスで、ある程度カバーできることもあります。歯並びもこれと全く同じで、生まれ持った遺伝的な素質をベースに、成長過程や日々の生活習慣といった環境的な要因が加わることで、最終的な形が決まっていくのです。「私の歯並びは、遺伝が〇割、環境が〇割」と、明確な割合を出すことは非常に困難ですが、どちらか一方だけが原因である、ということはほとんどありません。この両者の影響を理解することが、ご自身の、あるいはお子様の歯並びを考える上での第一歩となります。重要なのは、どちらか一方を「犯人」と決めつけるのではなく、両方の要因がどのように関わっている可能性があるのかを、客観的に見つめる視点を持つことです。そして、その上で、改善できる部分、あるいは専門的な介入が必要な部分を判断していくことが大切になります。

 

2. 親から子へ受け継がれるもの:歯並びに影響する「遺伝的要因」とは

 

では、具体的にどのような要素が「遺伝」によって受け継がれ、歯並びに影響を与えるのでしょうか。親御さんからお子さんへと伝わる可能性のある、主な遺伝的要因をいくつかご紹介します。これらは、まさに歯並びの「設計図」の根幹をなす部分です。

  • 顎(あご)の骨の大きさと形:これは、歯並びに最も大きな影響を与える遺伝的要因の一つです。顔の輪郭が親子で似るように、上顎や下顎の骨の大きさ、前後的な位置関係(例えば、下顎が小さい、あるいは上顎に対して後ろに位置しているなど)は、遺伝の影響を強く受けます。顎が小さいと、歯が並ぶためのスペースが不足し、歯が重なり合って生える「叢生(そうせい)」(ガタガタの歯並び)の原因となります。逆に、顎が大きいと、歯と歯の間に隙間ができる「空隙歯列(くうげきしれつ)」(すきっ歯)になりやすくなります。特に、受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)の中でも、骨格的なズレが大きい「骨格性」と呼ばれるタイプは、遺伝的要因が強く関与していると考えられています。ご両親や祖父母に、特徴的な顎の形や噛み合わせの方がいらっしゃる場合は、お子さんにもその傾向が現れる可能性があります。
  • 歯の大きさ(幅径)と形:歯一本一本の大きさや形も、遺伝によって決まる部分が大きいです。たとえ顎の大きさが標準的であっても、歯そのものが平均よりも大きい場合は、顎のスペースに対して歯が相対的に大きくなり、結果的に叢生を引き起こすことがあります。逆に、歯が小さい「矮小歯(わいしょうし)」などがある場合は、すきっ歯の原因になることもあります。顎の大きさと歯の大きさのバランス、いわゆる「歯と顎の不調和(ディスクレパンシー)」が、歯並びの良し悪しを決定づける重要な要素であり、この両方に遺伝が関わっているのです。
  • 歯の数:通常、永久歯は親知らずを除いて上下左右合わせて28本ありますが、生まれつき特定の歯が存在しない「先天性欠如(せんてんせいけつじょ)」や、逆に通常より歯が多い「過剰歯(かじょうし)」も、遺伝的な要因が関与することがあります。先天性欠如があると、その部分に隙間ができたり、隣の歯が倒れ込んできたりして、歯並びや噛み合わせに影響が出ます。過剰歯は、他の永久歯が正しい位置に生えるのを邪魔したり、歯並びを乱したりする原因となります。これらの歯の数の異常は、レントゲン撮影によって早期に発見することが可能です。

これらの遺伝的要因は、残念ながらご自身の努力で変えることはできません。しかし、ご自身の歯並びの成り立ちに、どのような遺伝的な背景がある可能性を知ることは、将来的なリスクを予測したり、矯正治療が必要になった際に、より的確な治療計画を立てたりする上で、非常に有益な情報となります。

 

3. 生まれた後の影響が大きい!歯並びを左右する「環境的要因」の数々

 

遺伝的な設計図があったとしても、その後の環境や生活習慣によって、歯並びは大きく変化します。むしろ、多くの場合、こちらの「環境的要因」の方が、後天的にコントロール可能であり、予防や早期介入の観点からも重要となります。代表的な環境的要因を見ていきましょう。

  • 乳幼児期の癖(習癖)
    • 指しゃぶり:長期間(一般的に4~5歳以降も続く)、強い力で指をしゃぶり続けると、上の前歯が前方に押し出されて出っ歯になったり、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」になったりするリスクが高まります。
    • おしゃぶりの長期使用:指しゃぶりと同様に、長期間の使用は開咬などの原因となる可能性があります。適切な時期にやめることが推奨されます。
    • 唇を吸う・噛む癖(吸唇癖・咬唇癖):下唇を噛む癖は出っ歯、上唇を噛む癖は受け口を助長することがあります。
    • 爪噛み:持続的な力がかかることで、前歯の歯並びに影響を与える可能性があります。
  • 口呼吸:鼻詰まり(アレルギー性鼻炎やアデノイドなど)や、単なる癖によって、口で呼吸する習慣(口呼吸)が続くと、お口周りの筋肉のバランスが崩れ、顎の正常な成長が妨げられることがあります。舌の位置が下がり(低位舌)、上顎の歯列が狭くなったり(狭窄歯列弓)、歯並びがガタガタになったり、出っ歯や開咬の原因になったりすることが指摘されています。常に口がポカンと開いているお子さんは注意が必要です。
  • 舌の癖(舌癖:ぜつへき):飲み込む時(嚥下時)に舌で前歯を押す癖や、安静時に舌が常に前歯の間や低い位置にある癖なども、歯並びに大きな影響を与えます。すきっ歯(空隙歯列)や開咬の直接的な原因となることが多く、矯正治療で歯並びを整えても、この癖が改善されないと、後戻りの大きな原因となります。
  • 乳歯の問題
    • むし歯:大きなむし歯で乳歯の形が変わったり、早期に失われたりすると、隣の歯が倒れ込んできて、後から生えてくる永久歯のスペースが不足する原因になります。
    • 乳歯の早期喪失:むし歯や外傷で乳歯が本来抜ける時期よりも早く失われると、永久歯の萌出スペースがなくなり、永久歯が正しい位置に生えられなくなることがあります。
  • 食生活:現代の食生活は、柔らかい食べ物が多くなりがちです。成長期に、ある程度の硬さのものをしっかりと噛む機会が少ないと、顎の骨の健全な発達が促されず、顎が小さくなり、歯が並ぶスペースが不足する一因となる可能性も指摘されています。
  • 外傷:顔や顎を強くぶつけるなどのケガによって、歯が欠けたり、抜けたり、位置がずれたり、あるいは顎の骨に影響が出たりして、歯並びに影響を及ぼすことがあります。

これらの環境的要因は、ご家族やご本人が意識することで、予防したり、早期に対処したりすることが可能です。特に、お子様の成長期における癖や口呼吸などは、専門家(歯科医師や言語聴覚士など)による指導やトレーニング(口腔筋機能療法:MFT)によって改善できる場合も多くあります。

 

4. 遺伝と環境の複雑な絡み合い:歯並びへの影響度合いはケースバイケース

 

遺伝と環境、それぞれの要因について見てきましたが、実際の歯並びは、これらが複雑に絡み合って形成されます。どちらか一方だけの影響というよりも、両者の「相互作用」の結果として、個々の歯並びが現れるのです。その影響の度合いは、まさにケースバイケースと言えます。

例えば、遺伝的に顎が小さい傾向があるお子さんが、さらに長期間の指しゃぶりを続けてしまった場合、顎の小ささ(遺伝)と指しゃぶりによる前歯の押し出し(環境)という二つの要因が重なり、非常に重度の出っ歯や叢生(ガタガタ)を引き起こす可能性があります。遺伝的な素因が、後天的な悪習癖によって、さらに増悪されてしまう典型的な例です。逆に、遺伝的にはそれほど大きな問題がないお子さんでも、強い舌癖や、重度の口呼吸が長期間続いた場合、後天的に開咬や叢生といった不正咬合が引き起こされることもあります。

一方で、遺伝的な要因が非常に強い場合もあります。特に、骨格的なズレが大きい受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)などは、環境的な要因の影響が比較的小さく、遺伝的な骨格パターンが強く現れる傾向があります。このようなケースでは、悪習癖を改善するだけでは歯並びが大きく改善することは難しく、本格的な矯正治療、場合によっては外科手術を伴う矯正治療が必要となることもあります。

また、同じ親から生まれた兄弟姉妹でも、歯並びが全く異なる、ということはよくあります。これは、両親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせが異なることに加え、それぞれの子供が経験する環境的要因(癖の有無、むし歯の経験、食生活など)が異なるためです。このことからも、歯並びの形成がいかに多くの要因に影響される、個別性の高いものであるかが分かります。

重要なのは、「遺伝だから仕方ない」と諦めることでも、「環境のせいだ」と誰かを責めることでもありません。ご自身の、あるいはお子様の歯並びに対して、どのような要因が、どの程度関与している可能性があるのかを、専門家である矯正歯科医による精密な検査(レントゲン分析、顔面写真分析、模型分析など)を通じて、客観的に評価することです。それによって初めて、適切な対処法や、将来的なリスクへの備え、そして最適な治療計画を立てることが可能になるのです。

 

5. 原因を知ることで未来が変わる?予防と治療へのアプローチ

 

歯並びの原因が、遺伝と環境の複雑な組み合わせであることを理解すると、その予防や治療に対するアプローチも見えてきます。「遺伝だから、もうどうしようもない」ということは決してありませんし、逆に「癖を治せば、全ての歯並びが良くなる」というわけでもありません。原因に応じて、適切な時期に、適切な介入を行うことが重要です。

まず、「予防」という観点から見ると、コントロール可能な「環境的要因」に焦点を当てることが基本となります。特に、お子様の成長期においては、

  • 悪習癖(指しゃぶり、舌癖、口呼吸など)の早期発見と改善:癖に気づいたら、なぜその癖が出るのか(鼻詰まりはないか、精神的な要因はないかなど)を探り、根気強く改善を促すことが大切です。必要であれば、歯科医院での指導や、口腔筋機能療法(MFT)と呼ばれる舌や口周りの筋肉のトレーニングが非常に有効です。
  • 乳歯のむし歯予防と早期治療:乳歯の健康を守ることが、永久歯の正しい萌出スペースを確保することに繋がります。定期的な歯科検診とフッ素塗布、そして早期のむし歯治療を心がけましょう。
  • 早期の乳歯喪失への対応:もし、むし歯やケガで乳歯が早く抜けてしまった場合は、永久歯が生えるまでのスペースを確保するための装置(保隙装置)が必要になることがあります。かかりつけの歯科医に相談しましょう。
  • 食生活の見直し:成長期には、ある程度の歯ごたえのあるものを、しっかりと噛んで食べる習慣を意識することも、顎の健全な発育を促す上で大切です。

これらの環境的要因への早期介入は、将来的な不正咬合の発症を予防したり、その程度を軽減したりする上で、非常に大きな意味を持ちます。

次に、「治療」という観点から見ると、原因の分析は、最適な治療計画の立案に不可欠です。

  • 遺伝的要因(骨格的問題)が強い場合:単に歯を並べるだけでなく、顎の骨の成長をコントロールする治療(小児矯正における成長誘導)や、成人であれば外科手術を伴う矯正治療が必要となる可能性も考慮に入れます。
  • 環境的要因(癖など)が強い場合:歯並びを整えるだけでなく、原因となった癖そのものを改善するためのアプローチ(MFTなど)を併用しなければ、治療後に「後戻り」してしまうリスクが高くなります。
  • 歯と顎の大きさの不調和が原因の場合:歯を並べるスペースをどのように確保するか(抜歯するか、歯列を拡大するか、歯を削るかなど)を、精密な分析に基づいて決定します。

このように、歯並びの原因を多角的に分析することで、それぞれの患者様にとって、最も効果的で、かつ長期的に安定する治療法を選択することができるのです。成人になってからでも、ご自身の歯並びの原因を知ることは、治療法の選択や、治療後の安定性を考える上で、決して無駄ではありません。

 

6. まとめ

 

「歯並びは誰に似るのか?」という、多くの方が抱く素朴な疑問。その答えは、「遺伝という設計図を元に、環境という建築作業を経て、一人ひとり異なる形で完成する、まさに個性そのものである」と言えるでしょう。

  1. 歯並びは、遺伝的要因(顎の骨、歯の大きさ・数など)と、環境的要因(癖、口呼吸、むし歯など)の両方が複雑に絡み合って決まる。
  2. どちらか一方だけが原因であることは稀で、両者の相互作用の結果として、個々の歯並びが現れる。
  3. 遺伝的要因は変えられないが、それを知ることは、リスク予測や治療計画に役立つ。
  4. 環境的要因は、予防や早期介入が可能であり、特にお子様の成長期における悪習癖の改善は非常に重要。
  5. 歯並びの原因を正確に分析することが、最適な矯正治療計画の立案と、長期的な安定に繋がる。

「遺伝だから仕方ない」と諦める必要はありません。たとえ遺伝的な要因が強く関わっていたとしても、現代の矯正治療には、様々なアプローチで歯並びや噛み合わせを改善する方法があります。また、「私のせいで子供の歯並びが悪くなったのでは…」とご自身を責める必要も全くありません。大切なのは、過去の原因を探ること以上に、これからどうすれば良いのか、未来に向けて前向きに行動を起こすことです。

岐阜県多治見市にある当院、山内歯科多治見おとなこども矯正では、お子様から大人の方まで、それぞれの歯並びの原因を精密に診断し、遺伝的背景や生活習慣も考慮に入れた上で、最適な治療計画をご提案しています。歯並びに関する疑問やお悩みがあれば、どんな些細なことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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