子供への歯列矯正は高額医療費控除の対象になりますか？

岐阜県多治見市の歯医者、山内歯科多治見おとなこども矯正
歯科医師　山内敬士です。

# 子供への歯列矯正と高額医療費控除

歯列矯正は、多くの親御さんにとって心配の種の一つです。美しい歯並びは、見た目だけでなく、健康にも大きな影響を与えるため、多くの方が治療を検討されています。しかし、歯列矯正の費用は決して安くはありません。ここでは、お子さまの歯列矯正が高額医療費控除の対象となるかについて詳しく解説します。

## 目次
1. 歯列矯正の必要性とその効果
2. 高額医療費控除とは？
3. 子供の歯列矯正が控除の対象になる条件
4. 実際の手続き方法
5. 経済的メリットとデメリット

## 1. 歯列矯正の必要性とその効果

お子さまの歯列矯正は、単なる見た目の改善だけではありません。きちんとした歯並びは、噛み合わせを良くし、食事をしやすくするだけでなく、むし歯や歯周病のリスクを低減する役割も果たします。また、発音がスムーズになり、心理的な自信を持つことにもつながります。特に小児期に矯正を行うことは、成長期の柔軟な骨構造を活かして早期に改善が期待できるため、おすすめです。

歯列矯正にはさまざまな装置があります。一般的には、ワイヤーを用いた固定式装置が多く用いられますが、最近では取り外し可能なマウスピース型の装置も人気です。お子さまのライフスタイルやその成長段階に応じて最適な治療法を選ぶことができるため、一度専門の歯科医に相談することをおすすめします。

## 2. 高額医療費控除とは？

高額医療費控除とは、一定額以上の医療費がかかった場合に、その一部を所得から控除し、税金負担を軽減する制度です。この控除は、家計にかかる医療費の負担を軽減し、家族の健康を守るためのものです。控除額は年間の総医療費から保険金などで補填される金額を差し引いたうえで、10万円（または総所得金額等の5％）を超えた部分となります。注意していただきたいのは、医療費控除は申告手続きを行う必要があるため、しっかりと医療費の領収書を保管し、毎年の確定申告の際に提出することがポイントです。

## 3. 子供の歯列矯正が控除の対象になる条件

お子さまの歯列矯正が医療費控除の対象となるかどうかは、治療の目的が重要です。基本的に医療費控除の対象となるのは、治療を伴う場合です。例えば、噛み合わせや顎の成長不全など、健康維持や生活の質の向上を目的とした治療は控除の対象になる可能性が高いです。

見た目だけを目的とした美容的な矯正は、医療費控除の対象外となることがあります。したがって、矯正治療を検討する際には、治療の意味や目的をしっかりと歯科医から説明を受けて、それを証明するための診断書などを用意しておくと申告時に役立ちます。

## 4. 実際の手続き方法

医療費控除を受けるには、まず、年間の医療費を計算し、控除額を算出する必要があります。そして、確定申告書に必要事項を記入し、税務署に提出します。その際、医療費の領収書を添付することが求められますが、近年では原本の保存が義務付けられているため、しっかり保管しておくことが重要です。

加えて、歯列矯正治療が健康維持目的であることを証明するために、歯科医からの診断書や治療内容を記した書類を用意しておくとスムーズに手続きが進行します。また、オンラインでの申告が可能な場合もあり、手続きがより簡便になることもありますので、利用可能な場合は検討してみると良いでしょう。

## 5. 経済的メリットとデメリット

お子さまの歯列矯正における経済的なメリットは、将来的な健康維持に繋がることです。歯並びが良くなることで、むし歯や歯周病のリスクを減少させ、結果的に将来の歯科治療費を軽減する可能性があります。しかし、歯列矯正に要する費用は数十万円から百万円を超えることもあり、高額です。したがって、このような高額な出費を少しでも抑えるためには、高額医療費控除の申告を検討することが重要です。

とはいえ、治療は短期間で終わるものではなく、数年にわたることが多いため、治療計画と合わせて経済的な準備を進めることが必要です。矯正治療が必要であると診断された場合は、歯科医との相談を通じて適切な治療の選択を行い、可能な限り家計に負担をかけずに進められるようにすることが大切です。

## まとめ

お子さまの歯列矯正は、健康的な成長に寄与する大切な治療です。しかし、その費用は高額になることが多く、家計の大きな負担となりがちです。高額医療費控除はこの負担を軽減するための優れた制度であり、治療が必要な場合は積極的に利用を検討すべきです。控除を受けるためには、治療の目的をしっかりと理解し、必要書類を準備することが肝要です。ぜひ、この情報を活用し、お子さまの健康と未来をサポートしてください。